花粉症はある日突然、発症します。急に鼻がつまったり、鼻水がでたりする、その様子は青天の霹靂という形容が一番ピッタリします。
花粉症の説明でよく言われる盃の話はご存じでしょうか。
バケツでも構いませんが、とにかくポタポタと上から垂れてくる を受けている容器を想像して下さい。容器に余裕のあるうちは、土砂降りのような事でも大丈夫ですが、縁までいっぱいになってしまったら、次の がどんなに小さくても、こぼれてしまいます。
それが花粉症の発症というわけで、よくできたたとえ話です。もちろん上からの僕は花粉で、ーの多い少ないは、花粉症の原因となる植物の多少と、花粉を吸い込む機会の多少を賞味しています。そして、人それぞれ容器の大きさが違うので、同じような地域で同じような生活をしていても、なる人とならない人がいるのだ、と説明は続きます。
なかには、なりやすい方がいます。両親がスギ花粉症だと、そのこどもがスギ花粉症になる確率は55〜60%、片親だけでも30〜50%と言われています。アレルギー体質の傾向が強い人もなりやすく、ダニの死骸などのハウスダストにアレルギーがあるこどもの 70〜80%が花粉症と言われていて、これはアレルギーのないこどもの2倍以上です。その他、多くのアレルギー疾患に共通することですが、食生活が乱れていたり、睡眠不足の人、生活時間が不規則で、自律神経が乱れやすい人も花粉症になりやすいことがわかっています。
花粉症に登場するキャラクターは、カラダを病原体や有書な物質から守る免疫システムを担当しているマクロファージや同令塔役のT細胞、実行役のB細胞、それに肥満細胞（マスト細胞）です。
そのメカニズムは、こんな風です。花粉は最初から吸い込まれ、家の粘膜にくっつきます。邪麗者ですから、ほとんどは細かな親玉の力でのほうに送られて、タンなどと一鶏に非出されるのですが、足び出されなかった花粉もあって、そこから花粉のタンパク質が熱の粘度に浸透していきます。
これがのちに花粉症の原因となる「アレルゲン」です。
このアレルゲンを、料機にいる「マクロファージ」が捉えて、小さなペプチドという形に分解して食べるのですが、その時、同時に「B細胞」というリンパ球を刺激して抗体を作らせます。この特定の物質に反応する抗体が「gE（免疫グロブリンE）で、1906年に石坂公®、照子大変によって発見されてから、アレルギーの研究を飛躍的に進めた原動力となりました。
さて、数が少ないうちはマクロファージだけで処理できていましたが、花粉の数がどんどん増えてくると、パニックになったマクロファージは「排除すべき外敵」だと判断して、免疫システムの司令塔である「T細胞」に、アレルゲンの特徴とともに「危険信号」を送ります。信号を受けたT細胞は、「B細胞」に「花粉を撃退しなさい」という指令を出します。
これからが1gE抗体の出番で、この抗体は作られたのち、血液にのって全身を回り、肥満細胞や好塩基球という白血球の表面に固く結びついて、じっと出番を待っているのです。
抗体は、一つの物質にだけ反応して、くっつきます。粘膜に入ったアレルゲンを見つけ出して退治するセンサーですから、次のスギ花粉が楽の料膜にくっつくと、早速見つけてくっつき、粕順での攻撃部隊である「肥満細胞」を活性化させます。そして、活性化された肥満細胞が、ヒスタミンなどの化学伝達物質を放出して、アレルゲンをやっつけるとともに、さまざまな症状を引き起こすのです。
抗体が作られて、肥満細胞などの表面にくっつき、アレルゲンを体外に排出する準備が整ったことを「感された」といい、本来害のない花粉に対して、攻撃する準備が整ったわ
けです。
化学伝達物質を受けた粘膜では、大量の分必物を作って、花粉を洗い流そうとします。涙や鼻水ですね。また、別の化学伝達物質は毛細血管を拡張させて、粘膜を腫れさせ、通り道をふさいで、奥まで花粉が行かないようにします。これが鼻づまりです。
そして、その後も抗原が続けて入ってくると、それを鎮めようとしたり、助けようとしたりして、好酸球やリンパ球、肥満細胞など、たくさんの細胞がいり乱れ、それぞれが刺激し合って、さらに悪い循環が作られます。これがアレルギー性炎症で、こうなってしまうと、同じ量の抗原が入ってきてより過剰に、より強く症状が出てきてしまうのです。
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